金魚釣り ③
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絵:年金酒場さん 廻りを木々で覆われ陽が入らないツツミ 水はかなり冷たい。 |
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真っ黒な、ダボハゼ? |
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少し金光りしている黒い金魚 |
この堤は比較的近い距離に有った。
歩いて30分くらいのところである。
いつもの悪がき三人
へっこき虫を追いかけながら歩く。
朝まだ早いせいか飛び方もぎこちなく感じる。
砂利敷きの農道を歩くと、向こうからミニバイクで女の人が
時速3キロくらいで下ってくる。
この山を越えると一つ集落があり、そこから
農協に勤めているようだ。
小さな村、誰がどこへ行くのか大概分かる。
目は道路を見つめ真剣に運転している。
下りの砂利道、いつ転ぶかわからない。
心配ではないのだが、時々振り向き、
転んでないのを確かめながら歩く。
暫らく歩くと山の頂上付近に近づく。右手に細い林道。
これを駆け上がるとこの堤が見える。
薄暗い。
くぼ地に自然に出来たようだ。
あのダーウインがいたら真剣にこの堤を調べるだろう。
魚は全て真っ黒なのだ。
居るのはデメキン、金魚、金魚というより鮒だ。
中に一匹くらい少し赤色が付いたように見える三つ又の尾を持つものもいる。
誰かが昔、金魚を放したのか原型はみな金魚だ。
水際は、落ち葉が腐らずこれも黒くなっている。
その下にダボハゼ?がかなりの数隠れている。
こいつを釣るにはコツがいる。
餌はミミズ。針に一匹丸ごと付ける。
釣るのではなく、しゃぶらせるのだ。
しゃぶったら竿をそーと上げる。
目的の金魚が釣れなくなるとこのダボハゼ?で遊ぶ。
とにかく黒い、江戸川に居るダボハゼとは黒さが違う。
濃い墨の中に漬けたようだ。
バケツに入れると一番最初に死ぬ。
帰り、生きていればこいつだけは放してくる。
死んだものは鶏の餌になる。
金魚も黒さが違う、あの黒デメキンの黒さだ。
誰かに調査を頼みたいくらいだ。
あー、もう一度このツツミで釣ってみたい。
ここでの釣りは、誰にも怒られなかった。
追記
今朝の気温 3.2度
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