2012年12月22日土曜日

究極のカレー ① 大根 カレー

不思議 発見

カレー

大根カレー ①

下の娘が5年生の頃。
ランドセルを玄関に放り投げるなり。
「おとーさん 学校でみんなに笑われちゃったー!!」
下の子は大らかでクヨクヨしない子だ。
この事が楽しかったように得意げに話した。

宿題で「我が家のカレーの具」という作文が有ったらしい。

絵:年金酒場さん

カレーライスを作るのは私の役目である。

ある日の寒い土曜日。
冷蔵庫を開けたら肉が無い。
家には誰も居ない。
買いに行くにも面倒だ。

野菜は少しずつではあるが一通り有る。
冷蔵庫の脇にシーチキンが3個有った。
子供がサインドイッチ、おにぎりにマヨネーズをまぶしたシーチキンが
好きで、買い置きして有る。

フッと私の子供の頃を思い出した。
田舎で育った私は肉など年に数回しか食ったことが無い。
野菜の煮物でも、肉ジャガの時も肉の代わりにサバの缶詰だった。
もちろん、カレーもだ。

さて定番の野菜を一通り刻み鍋の中に、だが少し何かが足りない。
白菜、セロリ、ダイコン、長ネギが目に入った。
白菜を一枚一枚斜めに薄く切り鍋の中に入れた。
シーチキンも入れた。

まだ何かが足りない、とその時思った。
確か台湾に行った時、炒めたセロリが出てきたな。
青色がない、そうだと、セロリも葉っぱごと刻んだ。

すると、隣の長ネギが私も青いと言っている。
お前もか、と又これも刻んだ。

よし、これでOKと思いきや、「大根」が「俺も入れてくれ」と
言っているようだった。
ここまでくれば何でも入れちゃえである。

みんなが帰ってきた。どう反応するかな。
いつもは連れ合いが盛って出すのだが、今日はわざわざ私が盛った。
セロリと大根はさすがに抵抗があるだろうと想い、
子供達に除けて出す為である。

連れ合いには大根を一個セロリも少し入れて盛った。


内容を話すと、子供たちは最初「エーッ」の連発だったが。
二杯目は大根を入れてやった。
ところがダイコンはかなりの評価。

案の定、セロリと長ネギ以外は評判が良かった。
今日のカレーは、いつもより旨いと成った。

上の子は色気付いてきたのか肉を控えている。
連れ合いは旨い牛肉を買って来ても脂身は全て
流しの三角形の中へ捨てる。

あれから20年以上、我が家は肉ナシのカレーで大根が入る。

この話をある飲み屋で話した。
すると其処に〇〇ホテルを定年に成った調理長が居た。
「俺が若い頃、まかない飯でカレーを出し、サバ缶詰を細かく砕き
隠し味で入れたことがある」と言っていた。「評判がよく、何を入れた」かと
仲間にしつこく問われたそうだ。

確かに肉の出汁以上に旨い。
肉のカレーも一度作ったが我が家では味が無いとあれ以来
シーチキンで有る。

子供が学校でどう発表したのか思い浮かぶ。
作り方は次回に。

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