2012年9月11日火曜日

イワナ 夜突き

私の先生 ⑤

岩魚釣り

タナゴ針  夜突き  魚籠 (麻)

友達から、仕事の関係で知り合った人を、紹介してもらった。
この島で生まれ育った人と、秘密の渓でのこと。
(30年経つがほとんどの人はこの渓は知らない)

川幅は狭い、でもこの先生、竿からビックリする。
長さが一間、2m無いのです。しぐさが素早い。

淵に向かってスタスタ、止まったと思ったら、
もう針先は川の中。あっという間に25cmの岩魚。

仕掛けを見てビックリ、目印は無し 
小さいオモリと小さい針、
あの淡水タナゴ用の針。
今でも売っている、
[あの赤いハリスのもの]である。
それから自動ハリス止めが
付いている。

ミミズの餌を付けるのだが
全部隠れて、針がどこにあるか
分からなくなる。


欠点は釣るごとに針が伸びることだ。
一匹釣り上げたら針は替えなければならない。(だから自動ハリス止めなんだ)

27cmの岩魚はちょっとむずかしいが、それ以下なら十分釣れるのだそうだ。

次は私の番。
いいポイントで4.5mの竿を慎重に出すが、釣れない。

見ていた先生、まず糸を振り込むまでに時間が長い。
それに川の石を足裏でゴリゴリこすっている。
最後に小枝をボキッと踏んだ。
全てダメということ。

釣る前にどこでスタンスを取るか考え、数メートル手前に着いたら
岩魚は、今どっち方向を向いているかを見る。
岩魚が感づいた時は、もう岩魚の目の前に餌がある状態にするのだという。
淵で大きな岩魚はテリトリーが有り、
2m四方からなら必ず素早く飛びつくそうだ。

一番気をつけなければいけないのは、手前に斥候(せっこう)がいる場合。
これもスタスタ釣方で挑戦してみるのがよいそうだ。
手前から釣り上げてもよいのだが、次の斥候が気づくと同じことだという。

大物が気づく前には、鼻面に餌を落とし、考える暇を与えないことだそうだ。

なるほど、勉強になる。



夜突き
懐中電灯とヤスをもち、夜中、川に居る岩魚にいきなり光で照らすと
岩魚は瞬間動かない。そこをヤスで突くそうだ。

昼間一匹見た淵の下の、小さい淵でもかなりの数並んで居るらしい。
アッという間に魚籠が一杯になるそうだ。

注意することは、新月の晩でないとだめ。
月が僅かでも出ていたらだめなようだ。


一度、渓の近くでキャンプをしたことがある。
月が出ていたが、岩魚の並ぶ姿を見に行こうと言うことになった。
渓に降りたとたん止めた。とにかく暗くて怖かった。

酒を飲んでいたせいもあり、怪我をしてはと諦めた。

突かないにしても、一度は岩魚が並ぶ姿を見てみたかった。
















魚籠   麻で作ってある

 この先生のお母さんに、携帯用の魚籠を作ってもらったことがある。
小さいリュックの中に入り、かさ張らず便利である。
竹の魚籠が壊れたので暫らくこれを使っていた時がある。

これは25cm四方くらいの麻で作ってある。
このままだとぺたぺたするので下の方を紐で足に
巻着付けるといい。

これを洗って干したまま宿に忘れたことがある。
次の釣りに行くときに魚籠がない、似たのが有った。
子供の弁当袋である。これを持って行ったのだが失敗だった。
岩魚の頭を叩いてシメ(絞)たと思ったが生きていた。
あれだけ叩いたのに。少し小さかった弁当袋、
背伸びをした岩魚が、口から飛び出たのだ。
スイスイ泳いで逃げていった。25cmは有ったのに。

夕方、2ヶ月振りでいつもの宿に着いた。
麻の魚籠はそのまま残っていた。
まだ、物干し竿に干したままの状態だった。






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