日本田舎話⑥ いたずら
郵便屋さん
私の育った由緒ある田舎では、朝早く夜中に積もった雪を踏み固め、
雪道を作る、これが一日の始まりである。
カンジキを履き、小刻みに歩き隣家の玄関近くまで行く。
どこまでとは決まっていない。隣がまだ起きてこなければ少し長めに踏む、
暗黙の了解である。
人がすれ違い出来る程度の幅で踏む。往復を2回程である。
片足、を一筋とすれば4筋出来ることに成る。
雪が多いときは重労働で、時間もかかる。
郵便屋さんが来る時間を見計らって、この道に落とし穴を作る。
40cm角、深さ30cm位の穴だ。
まず穴を掘り、これに合う蓋を作る。よく踏み固めた雪をスコップで
掘り起こし、厚さ6cmくらいに薄くしこれを蓋にする。
継ぎ目は判らないようにうまく隠す。
あまり深くすると危ない、浅いと面白くない。
丁度長靴が埋まるくらいの大きさだ。
足が埋まると、長靴に雪が入る計算。
これだけでは面白くないので、1.5mくらい先にもう一つ作る。
せっかく長靴の中の雪を出し、歩き始めた頃もう一つに落ちるという仕組みである。
2階の窓からこれを見ていて、大笑いするので直ぐばれる。
「こらー!!」となる。
知っている郵便屋さん(隣のあんにゃ)だから、引っかかった本人も大笑いする。
遊びが限られている冬、こんな遊びで一日が始まる。
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もう少し狭く踏む |
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津南新聞 1月13日号 もう少し広く |
新雪に小便をすると実に気持ちがいいものだ。
けがれなき この新雪に 我れ印す
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