2012年9月14日金曜日

ヨモギ  ショウブ湯 

不思議 疑問

日本田舎話④

ヨモギショウブ」と呼んでいた
の、が入る)

これは本当の話
由緒ある田舎で育った、幼少の頃。
小学校のグランドで竹棒を持ち、
年に一度、喧嘩?をしていい日が有った。

子供は多かった、各分団に別れ一斉に竹を振り回す。
私は第6分団、7,8人のグループだった。
8分団くらいまで有ったかな。

菖蒲湯の日だと思う。
2、3mの竹の先に菖蒲の葉とヨモギの葉をくくり付け
道路からは20m程の高台の小学校目指して
坂道をこれを担いで、意気揚々と上って行く。










楕円形.com














大人はいなかったと思う。夜である。

悪い先輩に教わったのか。この中にタラの芽が出る前の
木の枝を忍ばせているものもいた。ヘルメットなど無い時代だ。

翌年、真似をした。
大きな直径10cmほどのトゲン木
雪で倒れたのか横たわって生えているいる。
適度に細い枝を2、3本採って来て中ほどに入れる。
これを菖蒲とヨモギの葉で隠した。

トゲン木(トゲの木、タラの木)とよんでいた。
この芽が食えるなんて知ったのは、東京に来てからである。
当時は、トゲが有り危ないと嫌っていた。
これを採って食べるなんてことは当然無かった。
だからこんなに太くなったのだろうか。


とげん木













これを持ち喧嘩?をするのである。
ある程度叩き合うと、今年はどこの分団が強かったとか
あいつは叩かれて可哀想だったとか言いながら、
一斉にがやがや帰る。
たいしたケガをするものもいなかった。
ルールがどうだったかは覚えてない。

この年、帰りの坂道、後ろから石を投げたものがいる。
坂の中ほどにいた私の頭に当たったのだ。
左上に直撃。痛かったというより後ろから投げられたのに、
どの辺から投げられたのか弧を描く石がはっきり見えた。
不思議だった。

トゲの木を入れたのでバチが当たったとみんなに言われた。

顔中、真っ赤である、すぐさま家に帰ると、母親はすごい。

「早く裸に成って、風呂場に行って洗面器に水を溜めて
頭から掛けてろ。」である。

あの「ガバイばあちゃん」よりすごい。

結局、血が止まらず個人医院で5針縫ってもらった。

この医院の待合室、間口の広い玄関、
ガラスの引き戸を開けると20帖くらの畳敷きが広がっていた。
この奥に、木の床、木の机の診察室。その脇に寝台。
やたら消毒液の匂いがしていた。

こんな事件が起きても学校で問題にもならず、
私は包帯した頭を、勲章を貰ったかのごとく、
鼻高々で通っていた。

今も髪の毛を掻き分けると傷跡が分かる。

小学校の時は結構、医者にかかったんだなー。

今もこの祭り?は続いているのかなー。


調べてみた。
似た行事が残っていた。
新潟県の名ケ山小学校で「よもぎしょうぶ」(の、がない)という
伝統行事が残っていた。

市報とうかまちだんだんに記載されていました。
ページ中ほど下。8枚目くらいの右下。

同じように、この時使った菖蒲は(ヨモギは?)風呂に入れた記憶がある。

頭の傷に手をやる度に、思い出すこの行事。
私の育った田舎でも若し続いていたら、長く残してもらいたいものだ。


   わらんべや 素直に伸びし 菖蒲の湯 




0 件のコメント: