2012年9月12日水曜日

イワナの味

不思議 発見


イワナの味

米どころのイワナは旨い。

私と、もう35年の付き合いをして貰っている、Kさんという人がいる。
まだ、血気盛んな若い頃。新潟の小出の先、松川の支流で釣りをしていたが
釣れない。朝4時に川に入り、二人で3尾。

当日は加賀屋という民宿で一泊。
この宿は先出の坂本竜豚先生に教わった宿である。
当然、川も釣り方もここで教わった。

翌日、違う支流に入ったがやっぱり釣れない。
昼で上がり、違う所に行こうということに成った。

当時、私は独立をしたばかりで時間は自由、Kさんも自由であった。
岩魚釣りも覚えたばかり。とにかく釣りたくてしょうがない時期である。
行き当たりばったり、どこに行こうとか、どの宿に泊まろうとかその場
で決める性格。Kさんは特にそうである。

気が付くと、釣れると噂されいた島に居た。
最終便でこの島の南の方の港に着き、船の券を買うときに紹介して
もらった宿に着いた。

宿では〇〇大学の医者のタマゴの女性が一人で食事をしていた。
他の人はみんな食事を終えたようだ。三人だけの食事だった。
この女性は祭りを見て来たので遅くなったと言っていた。
もう一週間この宿に泊まり、好きな祭りを見ているという。

メインデッシュは小さいイワシの煮付け2本づつ、泊まった部屋は離れで
良かったが、「この食事でよく一週間もいるなー」と、二人は感心した。
この宿には二度と行っていない。

翌朝早く、車道から見える沢に2本ほど入ったがみんな放流サイズばかり。

二人で思案、北の方に行こう。

左側の道を一時間ほど走ると大きな川が数本有った、
竿を出すが釣れない。

小さい沢を見つけ入った。
地図を見、車で行けるところまで上り、ドン詰りで車を止めた。
30m程先に出来たてのような橋が見えた、川幅は狭い。
おかしい、横からみると橋は綺麗だ、近づくと橋の上には萱がぼうぼうと生え
(砂利道を作るとしばらくは、萱が生える。)
車が通った後が無い。
当たり前です、橋から先の道路は作ってないのだ。
不思議な橋である。萱を掻き分け下を覗くと3mくらいの川の淵にイワナが
わんさかいる。全て25cm以上。水族館のようだ。

下流から竿を出すが釣れない。
淵は膝くらいの深さ、二人で目を合わせた時はもうタモ網を持っていた。
頭の中ではやってはいけないと思いつつ、手は動く。
一人が網をもち一人が追い立てると勝手にタモに入ってくる。
15分くらいで5尾捕まええた。

そろそろ帰ろうと宿探し。
来た道を看板を見ながら探す。車を止め、ホテルに入った。
高そうだったが仕方が無い。だが予約がない、と断られた。
平日であるのに素泊まりでもダメだった。
100人は泊まれる立派な宿。駐車場も30台は楽に止められる。
ところが僅か2台しか止まっていない。
客はそんなに居ないようだったが、けんもほろろに断られた。

このホテル、今は閉まっている。

夕日が綺麗
この日は特別に赤かった

来た道を戻り、走った。少し行くと民宿の看板。

「何も要らないから泊まるだけでも」と丁重にお願いした。
「それだったらどうぞということ」快く受け入れたくれた。
ところが、出てきた料理にびっくり、昨日泊まった宿とは
大違い、食いきれないほどの料理。酒は持ち込み自由
ジュースは近所の自動販売機で買ってこいという。
酒を一升頼んだが勘定は原価。一応持ち込みの「料金表」はある。
不思議な宿である。帰り、どうしたんですかと訊ねると、
「計算するのが面倒だから」
なるほど、理屈は合うのだが。

これからこの宿との付き合いは30年以上続く。

その日の宿でのこと。
捕ったイワナを焼いてもらった。二尾づつ。
気がついた、味が違う。この島のイワナも旨い方だが何かが違う。
この島のイワナは捕れたてなのに、何故だろうと。

前から渓の山菜が気になっていたことが頭をよぎった。
なかでも、フキの葉っぱとウルイの葉の大きさが違うことは分かっていた。
山菜の葉が大きい渓ではイワナがでかい、小さい淵でもでかい。

でかい旨い葉っぱを食っていると、虫もでかくなり、
その虫を食う岩魚にも関係があるのかな。
そうか、味にも、でかさにも違いが出るのかと思った。
これと米の旨さが違うのもこのせいかと分かった。

これはあくまでも私の説ある。




追記、
近所の蝉

昨日、夕方4時頃から一時間アブラゼミが鳴いていた。





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