2012年9月19日水曜日

雀 罠

不思議 疑問

日本田舎話⑤  雀、

これも本当の話

雪の積もった日。
ざるを斜めにし、棒に縄を付けた仕掛け。
下に籾殻と米。
縄は家の中まで引き込み、じっと待つ。

雀が下に来たとき縄を引く。
なかなか摑まらない。

半日がかりでやっと捕まえた、急いで罠まで行く。
今度はざるの中に入った雀を出さなくてはいけない。
これがうまく行かなかった。
雪のデコボコで隙間から逃げたのだ。
結局、ざるで捕まえたことは一度もなかった。











先輩におもしろい話を聞いた。
飯粒を酒に浸し一晩置く、これを撒いて
雀が酔っ払ったところを捕まえる。
おやじの酒でこれをやったがダメだった。
全て食って逃げられた。


これでは良く捕まえた。
農家のガンギに籾殻が山ほど入っている。
僅かに中身の入った籾を狙って、ここに雀が入る。

この籾殻は、春先に田んぼの雪の上で燃し薫墨を作る。
これを雪の上に薄く撒くのだ。
雪が早く融けるのと、田んぼの肥料にもなる。一石二鳥なのだ。
このガンギ、冬は雪の保護用の板で囲われていた。
雪国では主に、1階の窓に使われている。
雪が積もるたびに下から板を積んでゆく。
又、雪が降らなくなり積もらなくなったら上から外す。
なかなか便利なものである。
雨戸の溝を縦にしたようなところに、上から板を入れる。
「ハメ板」と呼んでいた。今はこの戸溝の部分は木ではなく
コの字かL字形の鉄筋に代わってきている。

朝早く、ここに行くと雀が100羽近く入って、
チュン、チュン激しく鳴いている。
初めは斥候が必ず2、3羽は空いた羽目板の上にいる。
これがみんな中に入るのを見計らって、
そっと近づき羽目板をコンコン。
すると中から一斉に飛び出す。
これの風切り音はすざましい。「ブァー、バサブゥァー」
ヒッチコックも真っ青。
すかさずタモ網で左から右に振る。
一箇所で構えて待っていると入らない。

多いときは5、6羽は網に入る。

勢いで雪にタモ網を伏せる。











この雀を食うわけでもない、ただ捕まえるのが楽しいだけ。
捕まえた雀は、針金の骨組みで作った、
六角形の菱形をした金網の鳥かごに入れる。
餌は鶏の配合飼料。一日二日すると雀のくちばしの付け根が
逃げようとするので、血だらけに成る。
可哀想なので3日もすれば離す。

ある日、この籠を木にぶら下げていた。
夕方みると数が減っている。おかしいなとよく見たら、
頭が無いのが一羽死んでいた。

不思議であった。

翌日犯人が分かった。モズである。
外の木に籠を吊るしておいた。
昼ごろ、あまりにも雀が暴れるので気がついた。
同じような大きさの鳥が、籠に摑まりぐるぐる回っている
初めは他の雀が餌欲しさに来たのかなと思った。
その内、雀が「ギーギー」泣き暴れ、辺りに羽が飛び散った。
慌てて鳥かごの元へ、とっさに雪の塊を鳥かご目掛け投げていた。

時既に遅く、又一羽殺られた。

モズと言うものは鳥かごに入って飛び回る雀をよく捕まえ、
食っちゃうものだと感心した。

これでは全部食われると思い、すぐに雀を逃がしてやった。


     もず(百舌鳥)
      嘴が鋭い
  スズメより一回り大きい
いろいろな鳥の泣き声を真似るらしい、だから百舌。
足成さん











こんな捕まえ方もした。
出窓の隙間
雛を育てるには狭すぎるのか、秋から冬のねぐらとして
ここを番い?で利用する。
寝静まるとガサガサ音がするので分かった。

出窓の屋根と袖壁の隙間。

夜、8時頃、事を始める。

この僅かな隙間をタモ網でそっと塞ぎ「トントン」叩く。
すると中から雀が飛び出してくる戦法。

タモ網に入ったらすかさず下にズルズル引きおろし捕まえる。
何故か二羽入る。

やはり捕まえるのが楽しいイだけ、2、3日すれば逃がしてあげる。












子供に頃はいろんな遊びをしたものだ。

♪ ♪ うさぎ おいし ではなく

♪ ♪ ♪ すずめ つかめー かの窓ー
                      ♪ ♪ ♪   てか


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