終活
終活をする前に その一
育った田舎から もうチョット入った所に「峠」という所がある。
私の母方の祖父母の居たところだ。
祖母は、麻(お)を爪で裂き、唇で舐め、指で丸め固めながら器用に績む。
麻糸は蓋が出来る専用の木桶の中に繋がっている。
ぼうず頭で、穴の開いた古下げズボンの私は隣にチョコンと座り、
「川での大蛇」、「つつみで大蛇」、「野良仕事での大蛇」
いろんな大蛇の話を、鼻水を垂らしながら何度も聞いた。
目が覚めれば直ぐ仏壇に線香、
飯を食うときも「頂きます」ではなく、
立ち上がる時も「よいしょ」ではなく、
歩きながらでも、
事あるごとに「なんまゑだー、なんまヰだー」と唱え、
常に「終活」をしていた。
祖父は物が飲み込みずらくなり、食事には必ず「やまいも」が添えられた。
あの頃の祖父母の「しぐさ」を想いだす。
私は「終活」を始める前に、
「エンデング ノート」を見る前に、
もう一度この映画が見たくなった。
「世界最速のインデアン」である。
旅先で世話に成った女性の家で情事。 分かれ際の名セリフ |
又元気が出た。
「終活」の前に、まだ「やる事が有る」と。
「終活」の前に、まだ「やる事が有る」と。
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