2012年10月9日火曜日

野ウサギのつかめ方

不思議 疑問

日本田舎話⑧    

うさぎ 

私の育った由緒ある田舎では
ほとんどの家が、ウサギ(家ウサギ、カイウサギ)を飼っていた。
我が家でも2匹いた。

りんご箱(木箱、約60cm×30cm×30cm位)
の中に一匹づつ入れていた。
正面は金網を張り、上の一部の板を外し、出し入れ。











水はやらなくて良いのだが、草、野菜くずだけでも結構ションベンをする。
毎年、底は修理するか、新しいりんご箱にする。
床に藁を入れておけば良いだけで、十分である。

一度、父親が野ウサギの子供を2匹、貰ってきたことが有る。
同じようにリンゴ箱に入れたのだが、一晩で居なくなった。
野生とは凄いもので、りんご箱をかじって逃げたのだ。
四角いリンゴ箱、板の僅かな繫ぎ目から齧り始めたのだろうか、
隅の方に穴が開いていた。
家ウサギは齧って逃げようとしないのに不思議であった。

家ウサギはオス、メスを一緒にすると直ぐ子供を作る行為をする。
だから簡単に増える。
子供が生まれていると直ぐに分かる、藁の盛り上がった巣の中に
ウサギの毛が混じっているからだ。
生まれたことが分かったら覗いてはいけないと教わった。
育児放棄をするらしい。

さて、この家ウサギ、正月になると人間に食われる。
田舎では貴重な肉である。

背中の部分を、鶏のささみとして出されたら、まず分からない。
色も食感もほとんど同じ。醤油とカラシしで食べる、美味である。
(田舎では、すし以外は何故か黄色いカラシだった)
煮て食うと少し違うが生で食ったら鶏肉とは分からない。
だからだと思う、ウサギは一羽、二羽と数えるのだろうか。










冬毛に替わったウサギは白くて綺麗だ。
このウサギ、正月が近づくと専門の毛皮屋?さんに、麻袋の中に入れて持って行く。

すると見ている間に皮を剥いでくれる。

足の間に挟み、両耳を持ち、後ろに引き喉に小刀でブス、、、、、、。
雪の中に喉をしばらく突っ込み、血を全て出す。
両足首の皮に切れ目を入れ、足を玄関先のガンギの鍵爪に吊す。
ある程度切れ込みを入れたら、一気に皮を下に、ズリ剥く。
後は頭まできたら、伸張に小刀を入れ少しずつ剥きおろす。
歯だけが何故か生々しい格好で不気味になる。
後は内臓を取り、足首を取り、縄を首の辺りに巻きつける。
この縄をもって、吊るしながら家に持ち帰る。

この時、これが盲腸と教えてもらった記憶がある、かなり大きい。
胃袋より、細長く大きかった気がする。
人は盲腸を切ったとか、この頃聞いてはいたが、
袋状の出口が無い盲腸、なぜ盲腸炎にならないのかと思ったものだ。


これまでは何故か子供の仕事。
この時に、この皮屋から100円が貰える。
代わりに皮を置いてくる。

いい小遣いに成った。当時一日10円貰えればよかった時代である。

持って帰ると後は親父の出番、骨と肉を手際よく分ける。

当日の昼飯は必ずラーメン、この骨で出汁をとりスープを作るからだ。
鶏をシメた時も、やはりラーメンで有った。
出汁を摂った後の骨を齧ると旨かったものだ。

運命と 啼かぬうさぎの 目に涙














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