目だけが光る
実物は見たことが無い、
幼少の頃の話である。
親父がまだ事務仕事ではなく現役のバスの
運転をしていた頃である。
その昔、家族は皆「顔パス」であった。
お化けみたいなガマクチを首からぶら下げていた
車掌(女子)も分かっていて、
「ハーイ」、腰の辺りで手を振ってくれる。
学校帰りカバンを玄関にほおリ投げ
時々、当ても無いのに隣町まで乗せてもらう。
行き先の運転手の詰め所でお茶菓子をパクつき、
帰りの時間までのんびり。
当然、帰りは暗くなる。
バスに乗る人も少ないので前の方に座る。
だが恐い席でもある。
何故かというと田舎の道は狭い、曲がり角などでは運転席が
道路からはみ出し、オーバーハングするのだ。
カチカチに成っていると
「運転は遠くを見て、前にすれ違いの車が来ないか
良く見るんだよ」と親父。
前方に対向車が見えたらこちらが、すれ違い易い
広い場所で止まって待つことが常識だと教わる。
突然、「のー坊! 」
ほら、遠くを見てみな!」
砂利道の遙か遠く、小さい「赤い光」が
一つ二つ見え隠れする。
バスのライイトが曲がりくねった道で左右に振られる度
反射でチラ、チラ光が見える。
「なんだと思う、」
「あれはヨタカだよ」
「へー」とビックリしながらも生返事、幼い目は
これに釘ずけで恐いと同時に不思議あった。
バスが近づくと黒い物体は目を光らせながら
空を飛ぶ、カラスのようにも思えた。
昔は砂利道で窪んでいるところが多かった。
雨上がりなどはその近くを遠避けながら歩かないと
車で「ピシャ」と雨水を跳ねられる。
そんな所の山奥では晴れの日の夜は「ヨタカ」が、今で言う「砂浴」
をするのだろう。
親父との懐かしい思い出で有る。
次回、親父は密造酒の「運び屋」だった。
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寒い
空を見上げたが星は見えなかった。
からすが鳴き始めた
ここ何日か地震が少ない、
北海道のイワシの大群の自殺といい心配だ。
健在気温:14.7度 湿度:70% 風:微風
昨日
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