2014年11月10日月曜日

運び屋

水枕に入った密造酒

その昔の幼少の頃だ、木炭車の記憶は無いが
前方のボンネットの所に直角に曲がった長い棒を差し込み、
一人が手廻ししてエンジンを掛けていた記憶は有る。

そんな時代、親父は密造酒(ドブロク)の
運び屋をしていた。
大げさなことではないがここのバスの運転手は
皆そうだったので、しょうがなかったのだろう。

隣町まで運ぶと焼酎をコップ一杯だけ貰えたそうだ。
こんな事も有ったせいか、親父の酒の飲み方は
死ぬ間際まで一気飲み、
お猪口なんてものでチビリ、トビリやらない。
コップに注いで一気に飲む、もちろん冷で。

「体の為に、焼酎のお湯割りにしたら」というと
「昔、散々飲んだから、いやだ」と、、、、この話を聞くと納得する。

「ドブロク」は密造している隣村から私の住んでいた村を
経由して別のバスで運ばれて来る。
バスの営業所でも有ったので、ここで他のバスに
積み替えられ運転手も交代。

当然、私の住んでいた村の酒屋でも作っていたが、
確か一度警察に捕まったと聞いた。

ある時、親父が買って来たのだろう、我が家でも二袋、
板の間の隅に隠れるように重なっていた。
当時は厚いビニール袋なんか無い、
一升ビンに白い物体が入っていたら目立つので
これが一番密造酒運搬袋としては良かったのだろう。

茶色のゴム製だ。


これを取り仕切っていた運転手の先輩は
出世が早く、間もなくバスの営業所長と成った。
才能、要領共に良かったのだろう。

今でも水枕はハッキリと覚えている。

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霧雨はあがっただが寒い。

現在気温:14.9度        湿度:83%      北北西の風少し有り


昨日


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